3市の工場オーナー向け:2025年Q4 省エネ・暑熱対策 補助金まとめ

工場や倉庫を経営する方の多くは真夏の「猛暑や電気代の高騰」に頭を抱えているのではないでしょうか。「屋根の遮熱対策をしたい」「空調を更新したい」と考えても、工事費が高額で踏み切れないオーナーの方もいるでしょう。そのような経済的な問題を解決できるのが、省エネや暑熱対策向けの補助金です。
2025年「国・神奈川県・厚木市・大和市・座間市」などの各自治体では、中小企業の省エネ改修を支援する制度が整備されています。
ただし、それぞれの制度で「申請時期」「対象工事」「補助率」が異なる点には要注意です。情報を整理しないと、申請のチャンスを逃してしまいます。
そこで今回のお役立ちコラムでは、厚木・大和・座間の3市で今使える主な補助金の全体像を一覧化しました。あわせて対象条件や申請のコツをわかりやすくお話しします。
※本稿は2025年10月14日時点の公開情報を基に記載しております。実際の募集有無・要件は各公式ページで最新をご確認ください。
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補助金の存在を知らずに機会損失
「補助金があるのを知ったときには、すでに締め切りが終わっていた」というケースはけして少なくありません。実際、補助金や助成金は制度ごとに受付のタイミングが異なっており、情報を追いきれず申請のチャンスを逃すケースがあります。
たとえば経済産業省の「省エネ補助金」は9月ごろに募集が始まり、採択結果が出るのは12月ごろです。一方で、神奈川県の「脱炭素化支援補助金」は10月上旬で締め切られる場合もあり、座間市の「省エネ助成金」は8月から受付を開始するなど、スケジュールは各自治体で異なります。
さらに注意したいのは「交付決定を待たずに工事を始めてしまう」ケースです。「どうせ交付されるのだから工事を始めてしまえばいい」と考えると失敗します。補助金は「申請が通ってから工事を始める」のが原則です。申請前に着工すると、必要書類を完璧にそろえて提出していたとしても助成対象外になります。
段取りのポイント
9月〜12月に募集・採択が行われ、交付決定は翌年春ごろになるとします。この場合、夏前には見積・設計を完了しなければなりません。
県や市の補助制度は募集期間が短い場合も多く、1〜2か月で締め切られることもあります。
- 「年度前半(4〜6月)」に補助金の公募情報を確認
- 「募集開始前(7〜8月)」に見積や効果試算を準備
- 「募集期間中(9〜10月)」に正式申請
このような流れを意識すると、申請漏れを防ぎやすくなります。補助金は年度計画の一部として前倒しで動くことがポイントです。
3市共通の背景:暑さと設備の老朽化

厚木・大和・座間の3市は、神奈川県の中で気温が上がりやすい内陸エリアです。夏場には屋根の表面温度が60℃を超えることもあり、工場内が40℃近くまで上昇することも珍しくありません。
従業員の安全性が確保できない
高温環境は作業員の体調リスクが高まる結果となります。屋根直下の工場内では熱がこもりやすいですし、湿度も上がるため、熱中症や脱水症状の発生率が上昇しやすいのです。
体調不良による作業停止や人員交代が増加すれば生産ライン全体の効率が落ちます。品質のばらつきや納期遅延の原因にもなりかねません。さらに、過酷な労働環境という噂が流れると、企業としての信頼性や安全管理についても疑われます。
経営リスクの低減策
築20年以上が経過している工場は注意しなければなりません。屋根や外壁、空調機器、配管設備などの老朽化も進行中です。単に修理するだけだと、同じ問題が再発するリスクもあります。「省エネ性能を高めながら更新する改修」が重要です。
このような背景から、各市では「老朽設備の更新」と「省エネ効果のある改修」を同時に行う事業について、積極的に支援しています。
たとえば遮熱塗装や高効率空調、LED照明への交換など電気使用量を下げながら、快適な作業環境をつくる改修が補助対象になっているのです。
国の主な補助金(全国共通で使える制度)
ここからは工場の省エネに関連する補助金についてくわしくお話しします。
経済産業省「省エネルギー投資促進補助金」
※令和6年度補正予算「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」の3次公募は、2025年9月24日(水)17:00で終了しています。ただし、今後も募集される可能性はあるため、定期的なチェックが必要です。
一例として、工場・事業所全体で大幅な省エネを図る取組で補助率1/2(中小)1/3(大)補助上限額は15億円です。工場全体の省エネや製造プロセスの電化・燃料転換のほか、リストから選択する機器への更新のほか、エネルギーマネジメントシステムの導入4つの類型で支援します。企業の投資を後押しする取組です。
環境省「地域脱炭素化推進事業」
脱炭素選考地域づくり事業の場合、省CO2等設備整備が含まれています。交付率は原則2/3です。
地方公共団体と民間が一体となり、脱炭素化に取り組むための支援枠組みを整備しています。複数年度にわたる包括的な取組を支援することが目的です。
交付対象の事業として、再生可能エネルギー設備や、太陽光発電のほか断熱改修などの省CO₂建築設備の導入が含まれています。
厚生労働省「エイジフレンドリー補助金」
60歳以上といった高年齢労働者が、安全に働ける環境を設備・制度面で整備するための改修や機器導入を支援しています。
単なる省エネ補助とは異なり「熱中症対策」「転倒・腰痛予防」「作業環境改善」に重点を置いた内容です。ただ、遮熱や断熱関連で注意したい点があります。屋根の遮熱や断熱そのものが直接対象にはなりません。それでも「熱中症リスクが高い環境下でのクーラー設置」などが対象になる可能性はあります。
参照:経済産業省資源エネルギー庁「省エネルギー投資促進補助金」
神奈川県・市町村の補助制度(地域限定)

ここからは神奈川県や厚木市などの補助制度についてご紹介します。
神奈川県「中小企業脱炭素化支援補助金」
神奈川県では、中小企業の脱炭素化を後押しするために、いくつかの補助金や支援制度をまとめて「中小企業脱炭素支援パッケージ」として展開しています。
主な目的は、CO₂排出量を減らしつつ、エネルギー利用効率を高めることです。そのため、対象は単なる機器更新にとどまらず、事業全体の環境負荷低減を目指す設備投資が中心となっています。
たとえば「中小企業省エネルギー設備導入費補助金」では、省エネ設備の導入や更新に係る経費の一部補助の取組です。補助率は1/3で、上限は500万円に設定されています。ただしかながわ再エネ電力利用認定業者またはかながわ脱炭素チャレンジ中小企業は、上限600万円です。工場の稼働コストを抑えながら生産性を維持できるでしょう。
厚木市「厚木市事業所用省エネ設備導入促進補助金」
太陽光発電システム5万円/kW(上限300万円)で蓄電池システム10万円です。厚木市では、脱炭素化に向けた重点分野として「省エネルギー対策」を明確に位置づけています。エネルギー使用量の削減と再エネ導入の両立を図るため、市内企業・事業所・家庭それぞれに向けた施策を展開中です。
市内中小企業や工場に対しては、「生産性向上と省エネ効果を同時に実現する改修支援」を重点的に推進しています。自家消費型太陽光発電システムや蓄電池の導入が支援対象です。
大和市「エネルギー価格高騰対策中小企業支援事業」
※令和6年1月31日(水)17:00に申請受付を終了しています。ただ、今後も予算がつく可能性はあるためチェックが必要です。
一例として、省エネ診断を受けた事業者向け(損失額100万円以上)で支給率は支給対象経費(税抜)の100%です。上限額は1,000,000円を設定しています。
「省エネルギー設備導入・オーバーホール等支援金」では、令和3年と令和4年の年間エネルギー料金の合計額を比較して50万円以上の損失が前提です。対象は省エネルギー効果が見込まれる設備や機械の新規導入や既存設備などが該当します。ほかに機械のオーバーホールも対象で、メンテナンスを実施する中小企業者への支援金が支給されます。
この制度は、エネルギー料金の高騰に対応するための市独自支援策として、大和市内の中小企業を対象に設けられたものです。支援対象は省エネルギー診断費用に対する支給が該当します。そのうえで省エネ性能のある新規設備導入や、既設設備のオーバーホール・メンテナンス費用に対する支援を組み合わせた構成です。
座間市「事業所用太陽光発電システム導入支援補助金」
事業所用太陽光発電システム1キロワット当たり1万円で上限30万円を設定しています。事業所、店舗、倉庫などに電力会社配電線と連系する太陽光発電設備を設置が対象です。
「事業用太陽光発電システム、太陽光発電による電気の最大出力合計値が10キロワット以上のもの」など、複数の条件が設定されています。
予算残額は2025年9月30日時点で残り90万円のため、早めの申請が必要です。
FAQ:よくある質問

Q1:遮熱塗装や断熱シートは対象になりますか?
A.遮熱塗装や断熱シートは、事前に担当部署への確認が必要です。
Q2:複数の補助金を一緒に使えますか?
国と県や市などの場合で、異なる制度は併用可能です。ただし同じ工事費を重複して計上できません。
Q3:申請のタイミングは?
A.契約・着工前に申請が必要です。工事後の申請は受け付けられません。
Q4:採択率を上げるには?
A.基本的に「どのくらい省エネになるか」を数字で説明することが重要です。電気代の削減見込みをkWhで示すといいでしょう。
中小企業の省エネ投資は“今”が動きどき—申請設計から施工まで「中山建装」が伴走します

厚木・大和・座間の3市では、太陽光・蓄電池・高効率設備などを後押しする制度が整い、国の「省エネ投資促進」系補助金とも組み合わせやすくなっています。とくに厚木市は事業所向けの省エネ設備導入支援を継続掲示、座間市は事業所用太陽光の上限や要件を明記しています。
一方、大和市の“エネルギー価格高騰対策”系は既に終了回もあるため、募集状況の確認→交付決定前着工NGの徹底→効果(kWh削減)を数値化の3点で準備を前倒しするのが肝要です。
倉庫工場の塗装、雨漏り補修専門店(株)中山建装は、現地調査→遮熱・断熱・空調・照明の効果試算→補助要件に合わせた見積・仕様整理→申請スケジュール管理→施工・実測検証まで一気通貫で支援します。
まずは問い合わせフォームから電力明細と対象建物の概要をお送りください。メール・電話でのご相談、制度の最新要件や材サンプルを確認できるショールーム来店も歓迎です。
中山建装が、2025年Q4のチャンスを逃さない“数字で説明できる省エネ投資”を設計します。
