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遮熱で電力はどれだけ下がる?kWh削減の試算テンプレ配布

メンテナンス基礎知識 2025.10.08 (Wed) 更新

遮熱で電力はどれだけ下がる?kWh削減の試算テンプレ配布

工場や倉庫のほか、オフィスの空調費は電力コストの中でも大きな割合を占めます。とくに夏場は屋根や外壁から侵入する輻射熱の影響で空調負荷が増し、月間電力使用量が20〜30%増加することも珍しくありません。

この問題を解決する手段として注目されているのが「遮熱対策」です。ただ、導入検討の場では「実際どのくらい電力が下がるのか」「何年で投資を回収できるのか」が明確に示せず、判断が止まるケースも多々あります。

そこで今回のお役立ちコラムでは、遮熱シート・遮熱塗装・断熱改修などの導入で期待できる、kWh削減量と回収年数(ROI)をくわしくお話しします。

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遮熱対策で下がる電力量の仕組み

遮熱の基本原理を理解することで、電力削減の根拠を正確に説明できるようになります。仕組みを知れば導入効果の再現性が高まるのです。

熱侵入と空調負荷の関係

建物内部に熱が入る経路は「伝導」「対流」「輻射」の3つです。対策としては遮熱塗料・遮熱シート・断熱塗料などがあげられます。とくに屋根や外壁からの輻射熱は、夏季の冷房負荷全体の約70%を占めるとされ、空調エネルギーの主要因です。

遮熱シートは、この輻射熱を反射して建物内部への熱侵入を抑えられます。遮熱塗料は特殊な顔料を含んでおり、太陽光を反射して屋根や外壁が熱くなるのを防ぐアプローチです。断熱塗料は伝導や対流といった熱の移動を遅らせます。

遮熱シートは反射率97%のアルミ遮熱材を屋根裏に施工する手法です。屋根裏温度が最大9〜15℃低下するため、空調機の冷却負荷が減少し、年間電力消費量を25〜35%削減も期待できます。遮熱は「空調機の仕事量を減らす」技術であり、直接的にkWh削減=電気料金削減へつながるのです。

遮熱と断熱の違い

遮熱と断熱はよく混同されるものですが、よりくわしくお話しします。「遮熱」と「断熱」は、仕組みが大きく異なるのです。遮熱の場合、輻射熱や太陽光を反射させることで屋根や外壁が熱くなるのを防ぎます。一方、断熱材は熱を通しにくくするもので、熱流を遅らせる役割があるのです。

この仕組みを理解した上で、工場や倉庫に対して効果的な対策となるのは遮熱系と言えます。工場や倉庫はとくに太陽光の影響を受けやすく、屋根が60度以上になることもあるのです。遮熱系のほうが短時間で効果が現れやすく、電力削減率が高くなります。遮熱塗料や遮熱シートは反射型で「即効性」が期待でき、断熱系は「持続性」という点に強みがあると考えれば、導入判断がしやすくなるのです。

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電力削減の計算式と試算モデル

電力削減の計算式と試算モデル

遮熱効果を定量化するための基礎式をくわしくお話しします。数値化することで投資効果が見える化でき、稟議資料にも活用できるのです。

試算に使う基本式

電力削減量は、年間電力使用量と遮熱効果率から次のような計算式で求められます。

  • 年間電力削減量(kWh)=年間電力使用量×遮熱効果率×建物稼働面積比
  • 年間削減額(円)=電力削減量×平均電力単価(円/kWh)
  • 回収年数(年)=導入費用÷年間削減額

たとえば年間100万kWhを使用する工場が遮熱効果30%を達成したとします。その場合、削減量は30万kWhです。

電力単価を20円/kWhとすれば、年間削減額は600万円となります。導入費用1,800万円の遮熱工事と仮定すると、3年で回収可能という計算になるのです。

対策別の代表的な削減率

ここでは、対策別による遮熱効果率と、年間電力削減目安に関してお話しします。

対策種別

遮熱効果率

年間電力削減目安

備考

遮熱シート

25〜30%

約90,000kWh/年(延床3,000㎡)

稼働中施工可

遮熱塗装

15〜25%

約70,000kWh/年

10年ごと再塗装

断熱改修

20〜35%

約110,000kWh/年

一時停工あり

この表に関しては環境省「ヒートアイランド対策技術集」および静岡大学共同実験をもとに整理した一般値です。屋根形状・地域気象・通気条件によって差が出るため、実際には±5%程度の誤差を見込むと現実的と言えます。

自社で試算できるテンプレートの使い方

自社による試算できるテンプレートを使えば簡単に自動計算ができます。テンプレートを作成する際に抑えておきたい項目は以下のとおりです。

  • 延床面積(㎡)
  • 年間電力使用量(kWh)
  • 電力単価(円/kWh)
  • 遮熱効果率(%)
  • 導入費用(円)

入力するだけで、年間削減額・回収年数・ROI(投資利益率)が瞬時に算出されて、グラフとして視覚化されるテンプレートは役立ちます。とくに会議や稟議書にそのまま添付できるなら、管理職層への説明時間を大幅に短縮できるのです。

参照:環境省「ヒートアイランド対策技術集」2023年版

参照:PRTIMES静岡大学×株式会社ライフテック共同実証試験

実測データによる削減効果の裏付け

実測データによる削減効果の裏付け

信頼性を高めるには主観的な主張では説得力に欠けます。そのため第三者による実証データが欠かせません。ここでは大学・省庁による実測を紹介します。

静岡大学×ライフテック共同実験の結果

静岡大学と株式会社ライフテックによる実証では、遮熱シート「サーモバリア」を屋根裏に施工した実験を行っています。結果、屋根裏温度が最大9℃低下しました。

その際、空調機の稼働時間が減少し、電力使用量が最大27%削減されています。この実験では、夏期(外気温33℃前後)の工場屋根で実施され、冷却効率の改善が示されたのです。

この実験ではアルミ層による輻射熱反射(放射熱遮断)が、対流・伝導による熱移動より空調効率に影響があることを確認できました。

屋根裏での温度低減と空調稼働率の低下の関係性

「屋根裏での温度低減=空調稼働率の低下」という関係が明確に立証されたことが大きな成果と言えるでしょう。また、同実験では、遮熱材の表面反射率97%が長期間維持される点も注目したいポイントです。これにより経年劣化に強い屋内施工型遮熱システムとしての信頼性も裏付けられました。

参照:PRTIMES静岡大学と株式会社ライフテックが共同で実証実験を実施。遮熱材「サーモバリア」の施工で最大9℃の室温低下、屋根下の暖気塊温度4℃低下、電気料金最大27%削減を確認。

テンプレートを活用した社内提案の流れ

テンプレートを活用した社内提案の流れ

効果を定量化した後は、社内での共有と稟議手続きが重要です。提案の流れを整理します。

ROIを可視化して経営判断を加速

試算結果をグラフ化することで「どの対策が何年で投資を回収できるか」を明確に説明できます。たとえば、遮熱シートは施工後すぐに効果が出るため、最短2〜3年で黒字転換する場合も想定できるのです。グラフ化されたROIチャートは、経営層に対して「設備投資ではなくコスト削減型資産」としての説得材料になります。

稟議書・報告書にそのまま転用可能

テンプレートに公的な参照データを加えれば「省エネ根拠資料」として、説得力のある稟議資料を短時間で作成できます。自社電力量を入れるだけで「年間〇万円削減/回収3年」などの実数値が出せますからわかりやすくなるのです。

また、遮熱や断熱などの対策では、公的な補助金を受けられる可能性があります。申請時にも有効な定量根拠として使用できるのです。

遮熱効果を数値化することで投資判断が変わる

遮熱効果を数値で示すことで、経営層の意思決定を迅速にし、設備投資を「コスト削減策」として位置づけられます。

遮熱は「体感的に涼しい」だけではなく、定量化できる投資効果として評価すべき技術です。電力削減率・回収年数・施工費を明確に数値化することで、感覚ではなくデータで投資判断ができます。

説得力を高めるためのテンプレートを利用

配布テンプレートを使えば、延床面積と電力量を入力するだけで、年間削減額・ROI・回収年数を自動で算出できるのが便利です。

「どれだけ下がるか」を可視化し、経営層への提案や補助金審査で即活用できるのが大きな強みでしょう。

FAQ:遮熱による電力削減のよくある質問

導入を検討する企業が抱えやすい疑問を整理しました。明確に答えることで、導入効果を最大化できます。

Q1:どのくらいの面積から効果を感じられる?

A.遮熱対策は「建物の外皮面積(屋根・壁)」と「空調稼働時間」に比例して効果が現れます。一般的なオフィスビルや商業施設よりも、屋根面積の占める割合が大きい工場・倉庫・体育館などで顕著です。

とくに天井付近に熱だまりが発生しやすい「鉄骨折板屋根」や「スレート屋根」の工場では、遮熱導入後に空調設定温度を2〜3℃上げても快適性の維持が期待できます。また、延床500〜800㎡クラスでも「作業環境の温度ムラ改善」や「体感的な暑さ緩和効果」は得られるため、電力削減+作業効率改善の両面で導入価値があります。

Q2:ROIは何年が目安?

A.法人施設での遮熱・断熱投資は、3〜5年以内の回収を目標とするのが一般的です。ROI(投資回収年数)は、初期費用・削減率・稼働時間によって変動します。

Q3:再施工は必要?

A.遮熱・断熱材の再施工周期は「材質」と「設置環境(屋内/屋外)」によって異なります。遮熱シートは屋内側に施工されるため、紫外線劣化を受けにくく20年超の耐久を維持できるケースが多いです。

遮熱塗装は屋外暴露環境のため、10年前後で反射率は10〜15%低下しますが、再塗装により性能を回復できます。

「中山建装」が遮熱で“何kWh下がるか”を可視化し、最短回収プランまで伴走します

「中山建装」が遮熱で“何kWh下がるか”を可視化し、最短回収プランまで伴走します

遮熱は“体感が涼しい”に留まらず、空調の仕事量を直接減らすことでkWh削減=電気料金削減に直結します。屋根・外壁からの輻射熱を抑える遮熱シート/遮熱塗装は、建物条件が合えば年間電力量の15〜35%削減が十分に狙えます。

導入判断では「年間電力使用量・電力単価・想定効果率・導入費用」を入れた回収年数(ROI)試算が要点。延床・屋根形状・既存断熱・稼働時間を踏まえて、“どれだけ下がるか”を自社値で数式化できれば、稟議は一気に前進します。

倉庫工場の塗装、雨漏り補修専門店(株)中山建装は、現地調査→温度/電力の基礎データ化→削減量・削減額・ROIの試算テンプレ適用→最適工法(遮熱シート/遮熱塗装/断熱併用)と工期・停工リスクの提示までワンストップ対応。

まずはお問い合わせフォームから電力明細と延床面積をご共有ください。メール・電話でのご相談、ショールーム来店による材サンプル・温度計測デモも歓迎です。中山建装が、数字で語れる省エネ投資としての遮熱導入を、確実な効果検証と最短回収プランでご提案します。

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