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折半屋根の雨漏り原因TOP5と恒久対策

メンテナンス基礎知識 2025.10.12 (Sun) 更新

折半屋根の雨漏り原因TOP5と恒久対策

工場や倉庫で広く使われる折半屋根は金属製屋根の中でも軽量で施工性に優れ、コストパフォーマンスが高い構造です。

ただ、その形状や接合方式の特性上として、ボルト部や谷樋(たにどい)のほか、ジョイント部など水が溜まりやすい部位に劣化が集中します。基本的に、雨漏りが発生しやすい構造です。

雨漏りが発生すれば、室内の機械や在庫への被害が出てもおかしくありません。建物自体も鉄骨や下地の腐食、断熱材の腐敗や天井板の落下など二次災害にもつながります。

しかも、雨漏りの原因は目視で特定できるとは限りません。内部の毛細管現象や錆びによる微細な隙間から浸入している場合も多々あります。

そこで今回のお役立ちコラムでは、折半屋根の雨漏り原因を「構造上の5つの代表要因」に分類しました。各劣化サイン・原因・恒久対策についてくわしくお話しします。

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まず「雨漏りの構造」を理解する

雨漏りの多くは「屋根材そのもの」ではなく、接合・排水・開口など細部で原因が多数見つかります。折半屋根の場合、ボルト留め構造ゆえに、わずかなズレや錆が水の経路をつくりやすいのです。

折半屋根の構造と水の通り道

折半屋根は波型の鋼板をボルトで母屋に固定する構造で、谷の部分を通じて雨水が排出されます。ただ、この「谷」が長年の雨風で負担を受け続けて錆びると、水の滞留によって腐食するのです。そのためボルト穴やジョイント部から毛細管現象が発生して、水が屋内に吸い上げられます。

また、屋根の勾配も2〜3度と緩やかですから水が流れにくく、シーリング切れやボルトキャップ破損などの微小な隙間でも浸入するリスクもあるのです。

現地調査で見るべき5つのポイント

現地調査で見るべき5つのポイント

雨漏り修理専門業者が現地調査でチェックしている、以下5つのポイントがあります。

  • ボルトキャップの劣化・欠損
  • シーリング材の硬化・ひび割れ
  • 谷樋(たにどい)の錆・穴あき
  • 折板重ね部・ジョイント部の隙間
  • 外壁接合部・笠木の防水不良による逆流

順番に点検することで、雨漏り原因を特定します。

ボルト部の劣化・キャップ破損

ボルト部の劣化やキャップの破損は、折半屋根の雨漏り原因の多くを占めます。ボルト部は屋外に露出しているため、ある意味仕方ないことでしょう。紫外線や温度変化によってシーリングが硬化し、キャップが割れたり、ネジ部が錆びて防水層が切れたりします。その結果、ボルト穴を通して水が母屋まで達し、室内天井からの漏水に至るのです。

よくあるのは、ボルトキャップの変色・欠落や雨の後、ボルト周囲に赤錆の滲みの発生があげられます。ほかにも室内天井に線状の染みが発生するのです。

谷樋の腐食・穴あき

谷樋は屋根の排水ラインです。落ち葉・砂・粉塵などが溜まると排水は停滞して、常時水が溜まった状態になります。水分により谷樋は酸化腐食が進んでしまい、ピンホールや腐食穴につながるのです。また、腐食部からの漏水は屋根中央部に現れるため、外観で気づきにくいのが厄介と言えます。

谷部に錆色の帯や湿痕や雨上がり後も一部乾かない場合、谷樋の問題かもしれません。そのほか、屋根下の鉄骨に錆垂れがあると疑ってもいいでしょう。

ジョイント部のシーリング劣化

折板の重ね接合部や笠木取り合いのシール材が劣化し、風雨による吹き込みで漏水します。とくに工場の屋根は温度差が大きくなりがちで、シーリングが伸縮を繰り返してひび割れしやすいのです。ジョイント部分は「再塗装しても下に水が入り続ける」のも厄介と言えます。

シーリングのひびや剥離、屋根縦目地からの雨染みが挙げられます。

開口部(ダクト・ルーフファン)の取り合い不良

後付けによる設備配管や換気装置の開口部では、防水板金やシールが不十分なケースも多々見られます。その結果、風雨の吹き込みや溜まり水による縁からの垂直漏水が起こりやすいのです。開口周囲の隙間から入り込んだ水は断熱層内を伝い、離れた場所に染みとして現れることもあります。

外壁取り合い・笠木からの逆流

屋根面より上部にある外壁接合部のシール切れや笠木ジョイント部の不良で、外壁から逆流して屋根内に浸水します。一見屋根の漏水に見えるため、原因を間違えやすいため注意が必要です。

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恒久対策の考え方と工法選定

恒久対策の考え方と工法選定

防水テープは、一時的に漏水を止める応急手段としては有効です。貼付後すぐに止水でき、雨天時の応急対応にも使えるため、現場ではよく利用されます。

ただし、これらは「表面を覆うだけ」であり、根本原因である腐食や金属疲労を止める効果はありません。また、紫外線や温度変化によってテープの粘着力が劣化し、数か月〜1年程度で端部から剥がれると、再び雨水が浸入します。内部に水分が残ったままテープを貼ると、内部結露→錆拡大→母屋腐食の悪循環を招くこともあります。防水テープは「一時しのぎ」としては有効でも、恒久的な雨漏り修繕には不十分です。

一般的な補修方法

・ボルト部:キャップ交換+二重防水構造

既存ボルトキャップを撤去して、防錆プライマーを塗布します。新しい防水パッキン付きボルトキャップを装着して、内部に変成シリコンを充填して補修する流れです。

・谷樋部:板金差し替えorカバー工法

腐食が軽度なら部分交換で済みます。ただ、広範囲に腐食しているならガルバリウム鋼板によるカバー工法が必要です。排水勾配を再設定して、水たまりができるのを防止します。

・ジョイント部:シーリング撤去+再充填

劣化したシーリングを完全に撤去して、プライマー下地と高耐候型変成シリコンで再施工します。仕上げに防水塗料を重ねて、紫外線劣化を防止する流れです。

・開口部:専用フラッシング+二重シール

ルーフファン・ダクト周囲に立ち上がり板金(雨返し)を追加します。防水テープとコーキングで二重止水を実施します。

・外壁取り合い:笠木部補修+ジョイント再防水

外壁との境目に水返し板金を設置します。シーリングを総打ち替えし、外壁側からの逆流経路を遮断する流れです。

折半屋根は、表面上は問題がなく見えても、内部では腐食や漏水が進行している構造です。屋根裏に断熱材や鉄骨母屋が隠れているため、劣化が外から確認できないケースが多く、「気づいたときには室内に雨染みが出ていた」という事例が後を絶ちません。

雨漏りを再発させないためには、定期的な点検・清掃・記録管理の体制化が不可欠です。以下は、工場・倉庫など大規模施設でも活用できる実践的な点検のポイントです。

点検・清掃の頻度と時期

折半屋根の点検は、最低でも年1回を推奨します。とくに以下のタイミングでは必ず実施するのがいいでしょう。

  • 梅雨前(5月〜6月):長雨前にボルトやジョイント部の劣化を確認。
  • 台風シーズン前(8月〜9月):強風によるキャップ飛散や板金の浮きを防止。
  • 大雨・積雪・強風後:局所的な変形・シール剥離を確認。

このような「年間点検スケジュール」として社内でルーチン化することで、突発的な漏水対応に追われるリスクを減らせるのです。

原因を特定すれば再発は防げる

折半屋根の雨漏りは複数の要因が絡み合うため「どこから漏れているか」ではなく「なぜ漏れたか」を突き止めることが重要です。正確な診断と恒久的な補修を行えば、屋根の耐用年数を10年以上延ばせます。

ボルト・谷樋・ジョイント・笠木といった弱点部を個別に対策し、年1回の点検記録を残すことで、再発防止と維持費の削減も両立できるのです。「原因特定→恒久補修→定期点検」のサイクルを確立することが、工場・倉庫における雨漏りリスク管理の最善策となります。

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FAQ:折半屋根の雨漏りに関するよくある質問

FAQ:折半屋根の雨漏りに関するよくある質問

Q1:シーリングだけで雨漏りは止まりますか?

A.一時的な止水は可能ですが、恒久的な解決にはなりません。シーリング補修はあくまで「表面を塞ぐ」応急処置であり、内部の錆びや腐食を止めることはできないからです。

とくに折半屋根のボルト周辺では、ネジ穴内部や母屋接合部まで水が浸透していることも多く、表面だけ塞いでも下層で再発します。

Q2:カバー工法と葺き替え、どちらを選ぶべき?

A.屋根の「下地状態」によって最適解が異なります。カバー工法(重ね葺き)は既存屋根を撤去せず上から新しい金属屋根を被せる方法です。

騒音や粉塵を抑えられ、工場を稼働したまま施工できます。葺き替え工法は、既存屋根を撤去し新たに下地から施工し直す方法です。構造体(母屋・鉄骨)が錆びていたり、谷樋の腐食が進行したりしている場合の選択肢になります。

Q3:雨漏り診断にはどのくらい時間がかかりますか?

A.診断方法によって所要時間が異なります。目視や散水テストによる基本調査は、約1〜2時間が目安です。雨漏り箇所を特定し、ボルト・谷樋・ジョイントなどの劣化部位を確認します。散水調査では、目視に加えてホースで水を流しながら浸水箇所を再現するのです。

そのほか、赤外線カメラ・ドローン点検を使った精密診断なら約3〜5時間程度かかります。ドローン撮影で屋根全体の錆び・ひび割れ・浮きを確認する流れです。赤外線カメラを使えば「内部に浸水した部分の温度差」を可視化できます。赤外線カメラもドローンも、屋根に上れない高所・危険箇所の診断に有効です。

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折半屋根の雨漏りは「中山建装」が恒久対策をご提案します|原因特定から再発防止まで一貫対応

折半屋根の雨漏りは「中山建装」が恒久対策をご提案します|原因特定から再発防止まで一貫対応

折半屋根の雨漏りは、ボルト部・谷樋・ジョイント部・開口部・外壁取り合いなど、構造上の弱点が複合して発生します。特に谷樋の腐食やボルトキャップ破損による浸水は、放置すれば鉄骨の錆びや断熱材の腐敗、天井材の落下など重大な二次被害につながるのです。応急処置としての防水テープやシーリングでは、内部の腐食を止められず再発リスクが残ります。恒久的な解決には、腐食源を除去したうえで板金交換や二重防水構造の施工が必要です。

倉庫工場の塗装、雨漏り補修専門店(株)中山建装では、折半屋根の構造を熟知した専門スタッフが、ドローン・赤外線カメラ・散水テストを組み合わせた診断を実施。ボルト・谷樋・ジョイント・開口部など全ての経路を解析し、再発防止を目的としたカバー工法・板金再構築・防水再施工プランを提案します。また、梅雨前・台風前の年2回点検スケジュールを導入すれば、突発的な漏水対応コストを抑えながら建物寿命を10年以上延ばすことも可能です。

折半屋根の雨漏りでお困りの方は、中山建装へお気軽にご相談ください。お問い合わせフォームからのご依頼のほか、メール・電話でのご相談も歓迎しております。施工品質や防水性能を実際に体感できるショールームへの来店もおすすめです。

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