塗装に関するマメ知識やイベントなど最新情報をお届けします! 現場ブログ

工場設備の鉄錆対策マニュアル|安全・効率的な錆落としと長期防錆術

メンテナンス基礎知識 2025.08.05 (Tue) 更新

工場設備の鉄錆対策マニュアル|安全・効率的な錆落としと長期防錆術

工場設備の鉄部に発生する錆(サビ)は、外観を損なうだけの問題ではありません。錆を放置すれば、腐食や穴あき、強度低下による歪みを招き、最悪の場合は設備停止や安全事故につながります。法人にとっては、設備修繕コストの増大だけでなく、生産ラインの停止による納期遅延や取引先への信用低下といった経営リスクに直結する深刻な問題です。

本コラムでは、鉄部の錆を効率的かつ安全に除去する方法、長期的な防錆処理の考え方、さらに工場環境そのものを「錆が発生しにくい状態」に保つためのポイントを詳しく解説します。設備や建屋を長期にわたって安定運用するために、経営者や工場管理担当者が押さえておくべき実践的な知識をまとめています。

▼合わせて読みたい▼
法人担当者向け:失敗しない工場塗装業者の見極め方と依頼前の注意点

鉄部に付着した錆を落とす方法

鉄部に付着した錆を落とす方法

錆を落とす方法は、大きく分けると錆を削り落とす方法と、薬剤で落とす方法であり、それぞれにメリットとデメリットがあります。それぞれの方法を理解し、どちらでおこなう方がよいか、判断しましょう。

方法①錆を削り落とす

・ワイヤーブラシ

・サンドペーパー

・サンダー

・グラインダー

・サンドブラスト

錆を削り落とす方法のメリットは即効性があり、錆落としが必要な部分だけを調整しておこなえる点です。また薬剤を使わないため廃液処理の必要がなく、環境の負荷もありません。どんなに深い錆でも、削りきってしまえば落とせるのも利点と言えます。

一方でデメリットとしてあげられるのは、鉄部を削ってしまうため傷がつきやすく、下手におこなうと対象を破壊してしまうかもしれません。また入り組んだ部分や内側の錆への対応は難しく、そうでなくでも多大な労力と時間が必要になるでしょう。

鉄部を削り落とす時は鉄粉や塗料の粉が舞うため防塵対策も必要です。また広範囲や重度の錆に対応するには大がかりな工具が必要となり、出費も激しくなります。

ワイヤーブラシ・サンドペーパー

小さい面積や軽度の錆であれば、ワイヤーブラシやサンドペーパーを使って削り落とせるでしょう。業者を使わず手作業で削り落とす方法としては、もっともポピュラーな手段です。安全性も高く費用もそこまでかかりません。

サンダー・グラインダー

広範囲の錆や頑固な錆を落としたい場合は、ワイヤーブラシやサンドペーパーでは埒が明かないかもしれません。その場合に有効なのは、サンダーやグラインダーです。サンダーやグラインダーを使えば手作業で落とすより簡単に削り落とせますが、火花が発生し粉塵も舞いやすく、怪我をする可能性も高いため、安全性の確保が重要になります。工場内でこれらの工具を使い慣れているのであれば問題ありませんが、そうでないなら業者に任せた方がよいかもしれません。

サンドブラスト(ショットブラスト)

サンドブラストとは、エアコンプレッサーを使い、研磨材を吹きかけて削り落とす方法です。かなり大がかりな方法で、危険もともなうため、DIYでの処理はおすすめしません。方法としては面積がとても大きい場合などに向いています。

方法②錆を薬剤で落とす

・歯磨き粉

・重曹

・クエン酸

・酢

・クレンザー

・酸(希硫酸や塩酸)

錆を薬剤で落とす場合は、対象の形状を選ばず、隙間や細部への対処も容易になります。削り落とすのと比べれば鉄部のダメージも少なく済み、安全性の高い薬剤を使うのであれば、特に難しくもありません。

一方でデメリットとしてあげられるのは、即効性がなく深い錆への対処が難しい点です。また使う薬剤によっては危険性がともない、廃液処理や環境負荷の方法も考えなくてはいけません。

歯磨き粉・重曹・クエン酸・酢(取り扱いが簡単な薬剤)

軽度で小さい範囲の錆であれば、研磨材を含む歯磨き粉やクレンザーをブラシにつけ、磨くだけで落ちる場合があります。重曹を使う場合は少量の水を加えてペースト状にし、錆部分に塗布して30分以上放置し、ブラシなどで磨くとよいでしょう。

クエン酸や酢を使う場合は雑巾などに含ませて錆部を覆い、30分以上放置してからブラシなどで削り落とすか雑巾でこすれば、錆が落ちます。

酸(希硫酸や塩酸)

酸を使う場合は錆を溶かして落としますが、取り扱いが難しくとても危険です。また鉄部を痛めやすいため、DIYでの処理には気をつけてください。扱いに慣れていない場合は業者に任せた方がよいでしょう。

【工場の設備別】錆落としと防錆処理の方法

【工場の設備別】錆落としと防錆処理の方法

工場の設備別の錆落としと防錆処理の方法を詳しく解説しますので、こちらも確認してみてください。

鉄製の屋根や外壁(トタン・ガルバリウム鋼板など)

鉄製の屋根に対する錆落としと防錆処理については、始めにワイヤーブラシやサンダーなどで研磨し、防錆剤を塗布した上で塗装をおこなう必要があります。これらの処理はDIYで対応できる範疇を超えており、足場や塗装職人が必要となるため、塗装業者に任せる他ないでしょう。

塗装業者に屋根や外壁の塗装を依頼した場合、錆落としなどの下処理も作業内容に含まれるため、依頼者側が錆落としをする必要はありません。

ゲート・シャッター・屋外タンクなど

ゲート・シャッター・屋外タンクなどの錆落としや防錆処理は、鉄製の屋根や外壁と変わらず、研磨と防錆剤・塗装メンテナンスが必要になります。塗装業者に依頼する場合は、屋根や外壁も含めて同時におこなってしまった方が安上がりです。

鉄骨柱・梁・配管・階段など

工場内部の鉄骨柱や梁、屋外屋内の配管や階段の錆落としと防錆処理の方法も、基本的には削り落としてから防錆剤を塗布し、塗装する必要があります。屋外と屋内での違いは、紫外線や雨風に強い塗料を使う必要があるかどうかです。

屋内の錆で範囲が小さく、安全性が確保できるならばDIYで処理することも可能ですが、屋外や高所の錆落としや防錆処理は、業者に任せた方がよいでしょう。

機械フレーム・ボルト・ナットなど

機械フレーム・ボルト・ナットの錆落としや防錆処理は、軽度であればワイヤーブラシやサンドペーパー、研磨材(クレンザー)などで対応できるでしょう。ボルトやナットなどの小物は交換した方が早いかもしれません。

工場で錆を発生させにくくする方法

工場で錆を発生させにくくする方法

工場で錆を発生させにくくする方法についても解説します。基本的には錆が発生する条件である、「水・酸素・塩分」をそろえないようにすることが重要です。

錆対策の環境造り

工場内部の錆対策としては、換気扇や除湿機などを使い、湿度を高めないようにコントロールしましょう。湿度を60%以下に保てれば錆も発生しにくくなります。さらに清掃のルールを厳格化し、定期的に清掃をおこなって塩分や水分の付着などを防ぎましょう。ボルトや金具は定期的に交換した方が錆も発生しにくくなります。

外壁部や屋根部などの建造物の錆対策としては、塗装業者に塗装してもらうことで錆が発生しにくくなるでしょう。

錆落とし・錆止めは業者に任せるべきか

軽度で小範囲の錆であればDIYで落とすことも可能です。一方で工場自体の錆(屋根や壁面、階段など)は、業者に任せた方が安全であり、防カビ効果も期待できます。

たとえば、塗装業者にメンテナンスを依頼した場合、ケレン作業と呼ばれる錆落としから始まり、防錆剤による下処理をおこなった上で塗装をおこなうのが一般的です。塗装ではDIYの塗装などで一般的なアクリル塗料ではなく、フッ素塗料、無機塗料を使うことで防錆効果は長持ちします。

塗装メンテナンスは錆対策だけでなく、雨漏り対策や防カビ・防藻対策にもなるため、屋外の錆対策にも最適です。

錆対策・メンテナンスにおける業者の選び方

塗装メンテナンスや清掃メンテナンスをおこないたい場合は、業者の実績や口コミ情報などを確認し、いくつかの業者に絞り込んだあと、相見積りをおこないましょう。相見積りを取れば、各社の提案や費用を比較しやすいため、業者選びの失敗も少なくなり、安心です。

工場自体の錆(屋根や壁面、階段など)落としについては、清掃業者ではなく、塗装業者に依頼した方がよいでしょう。清掃業者は錆を落とすだけですが、塗装業者であれば錆を落としたあとに塗装によるコーティングをおこなってくれるため、防錆効果が高く、長持ちします。

少なくとも屋外の錆落としについては、コーティング(塗装)による雨漏り対策も必要になるため、塗装業者でないと対処できません。

▼合わせて読みたい▼
工場経営に必須のメンテナンス計画とは―資産価値を守る年間スケジュールの立て方

工場の鉄錆対策は中山建装に相談!長期的な安全とコスト削減を実現

工場の鉄錆対策は中山建装に相談!長期的な安全とコスト削減を実現

工場設備に発生する鉄錆は、美観の低下にとどまらず、放置すれば腐食や穴あきに発展し、生産設備や建物全体の耐久性を脅かす重大なリスクとなります。特に法人施設では、一度の錆被害が機械停止や在庫破損を招き、結果的に納期遅延や取引先への信用低下といった経営リスクへ直結しかねません。適切な錆落としと防錆処理を早期に施すことが、長期的な修繕コストの抑制につながります。

倉庫工場の塗装、雨漏り補修専門店(株)中山建装では、屋根・外壁・鉄骨柱・シャッターなどの鉄部に対して、ケレン作業による錆落としから、防錆剤処理、フッ素塗料や無機塗料による長期コーティングまで一貫した施工を提供しています。単なる表面的な錆落としではなく、法人施設に求められる「安全性・効率性・長期耐久性」を踏まえたメンテナンス計画を提案できるのが強みです。

工場や倉庫の資産価値を守り、生産活動の安定を確保するためにも、錆対策は専門業者に任せるのが最善です。中山建装では、状況に応じた最適なプランをご用意し、施工後の維持管理についてもサポートいたします。まずはお問い合わせフォーム、メール、お電話、またはショールームにてお気軽にご相談ください。

お電話の方はこちらからお気軽にご相談下さい!オペレーター

ご相談お見積診断無料です!

0120-316-225電話受付時間 9:00~19:00(年中無休定休)

ご相談・お見積りメールフォームはこちらから

倉庫工場の遮熱断熱で省エネ、環境改善できた事例ダウンロード資料はこちらから

倉庫工場の塗装、雨漏り補修専門店中山建装 施工エリア

神奈川県厚木市 地域密着で倉庫・工場をはじめとする外壁塗装・屋根塗装・雨漏り補修工事を承っております。